Zanden Model 1200 Signature 概要

ザンデンオーディオシステムのフォノイコライザー  Zanden Model 1200 Signature の概要。

Zanden Model 1200 Signature は、モデルナンバーからも分かるよう Model 1200 Mk Ⅲ の後継機であり、末尾に記された Signature のロゴは Model 1200 シリーズの集大成且つ最終モデルであることの証です。

現行の Zanden  Model 1200 Mk Ⅲ は、5種類のイコライジングカーブ 選択式(RIAA・TELDEC・EMI・COLUMBIA・DECCA )及び極性切り替えを採用した唯一無二の LCR 型フォノイコライザーです。

ザンデンオーディオシステム製のフォノイコライザーは自社基準のイコライジングカーブの正確性を確保する為に、イコライジング回路には既製のインダクターを使用すること無く、コイルの適正値を保つ為にその全てを内製しています。

ザンデンオーディオシステム製フォノイコライザーはイコライジングカーブ選択機能を備えている点のみならず、そうした技術的な裏付けによる卓抜した音質が 評価され MAGICO や KUZMA と云ったハイエンドオーディオメーカーのリファレンススタンダードとして採用されています。

それでは Zanden Model 1200 Signature は Zanden Model 1200 Mk Ⅲ  からどのように進化したかお話しして行きましょう。

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1998年のZanden Model 1000 と Model 1100 の発表以来 、Zanden  Model 1200 Mk Ⅲ と Model 120 と続いてきたシリーズは、全機種シングル方式の回路を採用していました。

Zanden Model 1000 はイコライジング・バッファー共にサーキットボードと部材を全て立体的にパッケージングしていましたが、 Model 1200 へのアップデートにより搭載するイコライジングカーブが追加されたことにより、サーキットボードの拡大や機構部品の増加でスペースが不足するのでパケージの変更を余儀なくされました。しかしシリーズとしての整合性を保つ為に意匠の変更を避け、必要なスペースは奥行きを伸張することで確保しました。

今回発売になった 1200 シリーズの最終製品  Model 1200 Signature の一つ目のエポック、それはイコライジングからバッファリングまで全段がプッシュプル方式へと変更されたことです。

全段がプッシュプル方式になるということは単純に考えても、回路規模が2倍になるのでアッセンブルも2倍のスペースが必要になると云うことです。其れをシングル方式と同じスペースに収めるわけですからなかなかの難事業になりました。

限られたスペースを無駄なく使用する為に部品を特製したり最短のシグナルパスになるように幾度となくサーキットボードの書き換えを行ったりと、難解なパズルを解くような作業を繰り返して必要なエレメントの全てを所定の位置に収めることができました。

産みの苦しみは相当なものでしたが、その甲斐あって贔屓目を差し引いても十分以上の性能向上が体感できました。具体的にはプッシュプル化の成功によりダイナミックレンジとスルーレイトが劇的に向上、殊に高さと奥行き方向の精彩感の純化、加えて揺るがない定位感が際立ったことで音の見通しがとても良くなっています。

そしてエポックの二つ目。

現在ザンデンオーディオシステムが製造しているフォノイコライザーは5種類のイコライジングカーブを設定していますが、同時にノイマンタイムコンスタントと云う高域補正を採用しています。その補正が行われていない状態ではイコライジングカーブを合わせているにも関わらず、広域の伸びが明らかに不足していたからです。

ただその補正をしているにも関わらず色々聴きくらべていると、ウエストレックス系のカッティングシステムで制作されたレコードのタイムコンスタントが、ノイマンのシステムで制作されたものよりも少し低い周波数から始まっていることに気付きました。

そこでこのパイロットモデルには暫定ではありますがウエストレックス系のカッティングシステムで製作されたであろうレコードに対応する為に、 EMI Low・Columbia Low・DECCA Low にノイマンコンスタントとは異なるタイムコンスタントのポジション を追加することにしました、操作パネル上では t/c で表し low or high を切り替えます。

かなり大雑把なくくりで申し訳ないのですが、今のところ Blue Note や Angel / Apple / Capitol / EMI 等のEMI 系列、A&M / CBS・Columbia / Contemporary /Verve 等の Columbia 系列、Argo / DECCA[uk.us] / L’Oiseau-lyre 等の DECCA 系列がノイマン以外の時定数であるようです。それらのレコードは t/c low ポジションで再生すると従来よりピタッと来ます。

もちろんこれ以外レーベルでも t/c low ポジションの有効なレコードがあります、できれば一度ご自身の耳でお確かめ下さい。

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下に Model 1200 Signature プロトモデルのイコライジングカーブ切り替えスイッチのポジションを載せておきます。

RIAA . Teldec . EMI High .  EMI Low . Columbia High . Columbia Low . DECCA High . DECCA Low

*EMI . Columbia . DECCA の Low ポジションを選択した場合は同時に t/c ランプ(赤)が点灯します。

他のスイッチは配置・ポジション共に  Model 1200 Mk Ⅲ から変更はありません。

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カタログモデルの入力は MC 専用の XLR バランス接続が標準ですが、RCA アンバランス接続もオプションで選択出来ます。

出力は XLR バランス接続と RCA アンバランス接続が標準です。

Zanden Model 1200 Mk Ⅲ からのアップデートも承っております。

Retail Price List

Zanden Model 1200 Mk Ⅲ                  2500000 + TAX

Zanden Model 1200 Signature            2730000 + TAX

Up grade from 1200 Mk Ⅲ                  1630000 + TAX

 

2020/04/27