何をお聴きですか?

序章

オーディオを深く理解しプライドを持って営業しているオーディオショップに運良く出会えた人には無用な話です。

普通の音楽好きの方がもしそうではないショップに入ってしまい、これから始めるオーディオの機器購入の相談を切り出したその時、すかさず『何をお聴きになっていらっしゃいますか』この言葉が返って来ます。そこでジャズですとかクラシックですと答えると、じゃあこちらの◯◯がお勧めです、とある製品を示されて購入の決断を促されます。と同時にこれから購入するであろうその人の現在の持ち物を何気なく聞き出し趣味嗜好を掴み、さらに気に入りそうなものを勧めるのが腕の良い販売員な訳ですが、こんな出会いをしてしまった人のそこから先にはオーディオの深い闇が待ち受けているかもしれません。

何故こんなことを尋ねるのか、ジャズやロック クラシックなど音楽のジャンルによりそのプレーバックに於いて多少の得て不得手を持つ機械はあるとのことですが、ある音楽に特化した製品を造るメーカーを私は寡聞にして知りません。本物のオーディオショップなら先ず何をどんな場所でどんな装置を使ってどれ位の音量で聴いてるのか、それをどうしたいのかを聞くはずなんですが。ショップの都合が優先されてはなから売りたいものしか勧めない、まあただの物売りならこれもしょうがないんですけどね。

ことオーディオに関しては機械を通してその先にある音・音楽を売ってるって云う意識の無さが問題で、設置のアドバイスや使いこなしのノウハウも伝えず、さらにその使いこなしが必須だとも知らせない。こんなショップに出会ってしまったら百年目、何時迄たっても出口の無い機械の買い替えスパイラルに閉じ込められてしまい、望みは叶えられないままオーディオに失望するのが落ちです。

オーディオ屋とっての禁句をあえて此処で云ってみます。『あなたが今聴いてるその音は、機械の出す音だけじゃありませんよ。』部屋はそれぞれ固有の音を持っています、幾ら機械を取り替えても部屋や設置方法がそのままなら音は今迄と似たり寄ったりで変わりはないでしょう。

これからオーディオを始めようとしている貴方、もう始めてしまっている貴方、今後ショップに出向かれた際スタッフが通り一遍じゃなく設置場所や聴き方等、上に書いた様な事をしつこく聞いてくるのを疎まないでちゃんと答えてあげて下さいね。

そうすれば楽しいミュージックライフが以外に早くやって来るかもです。

2013/07/01