DIATONE DS-4NB70 に SOULNOTE A-1 は「アリ」か
去る1月26日と27日の2日間、「ソウルノート&ダイヤトーン試聴会」と銘打ったイベントを催しました。お忙しい中ご参加下さいましたお客様、本当に有り難う御座いました。
それでは先ず当店で初めて試みた PC Audio からお話ししてまいります。かく言う私は自他ともに認める PC のド素人で全くの役立たずなものですから、PC 関連の機材の設営からレクチャー迄を全てダイアトーンの佐藤・守野両氏にお願いしました。
今回のデモンストレーションで使用した PC は佐藤さんにハンドキャリーしていただいた所謂 Hand Made PCで、今回進行をしていただいた御両名が組上げられたもの。またインストールされたソフトウェアは Jplay ではなく Linax ベースの Dafile と言う初めて聞く名の OS でした。
私も何度か PC Audio のデモンストレーションに立ち会う機会がありましたが、並べて PC 音痴の目線からは音が出る迄に要する煩雑な PC 操作と、再生中にも何かの加減で不意にスタックしたりと、そんなこんなを経験しているうちに腰は完全に引けてしまい、PC Audio と云うオーディオのダークサイドへの招待は金輪際御免被るつもりでいました。
しかし昨年大阪オーディオセッションの会場で聴いた PC Audio によるデモンストレーションでは、それらのマイナス要素が随分払拭されていて、身の程も顧みずにこの辺り迄こなれてくれば挑戦が可能かなとも思い始めていました。
そして今回使用したオランダ発の再生ソフト Dafile。これはもう見事と云っていいと思います。
リナックスベースと云う事もありシンプルなストレージ付きのファンレス PC に Dafile をインストールすれば準備完了。インターネットに接続したオーディオ用 PC と USB DAC を既存のシステムに繋げば、ストレージに格納されたリッピングデータの再生は勿論のことインターネットラジオも、NAS に収納されているデータもソニーが始める有料ストリーミングも再生可能です。
再生可能なソフトはMP3 からハイレゾ迄幅広く対応していて、一番重い DSD 11.2MHz でもスタックすること無くスムーズに再生されていました。CD クォリティーの 44.1/16 に於いても、かなり高性能な CD トランスポートを持って来ない限りこちらに分があるようで、デジタルトランスポートとして CP はとても良いと思いました。
この2日間のデモンストレーションを聴いた今 PC Audio はやってみる価値有りの心境になっています、ひょっとすると当店がオーディオ用 PC を発売、なんてこともなきにしもあらず・・・
PC 関連はこれくらいにして次に行きましょう。
SOULNOTE D-1N 良いです、お勧めです。どこがって、” NOS ・ノンオーバーサンプリング”が選択出来るところです、お勧めの理由はそこだけではありませんが要素としては大きいです。
私は MCS NOS DAC でオーバーサンプリング無しの音に魅了されてしまい、Phono stage ZANDEN Model 1000 での縁から DA コンバーター ZANDEN Model 5000 を手にすることになり以来ずっと使い続けています、だってデジタルソースでこれほど音楽がキチンと聴けるDAC は他にありませんから。あの Philips 1541 S dc を使用した 44.1/16 の DAC です、がその中身は LCR アナログフィルターオンリーのデジタルフィルターレスの NOS DAC なんです。でも残念ながら今ではもうディスコンです。
NOS DAC を一般のオーディオメーカーがカタログモデルにしない一番の理由でもあると思いますが、NOS モードでは 4KHz 付近の波形はガタガタに崩れてしまい測定上はダメダメなんですね。しかし FIR OS DAC ではプリエコーやポストエコーなんて自然にはあり得ない波形が出てくるんですよね。
データ上の事はさておき実際にNOS DAC の音を聴いてみると、ほんの少し木目が粗くなるものの位相(時間軸)に狂いが無いせいで演奏はリアリティー抜群に聞こえます。
なんですが現状で購入可能な NOS DAC は今のところ SOULNOTE しか見つからないですものね。
音楽は時間芸術、NOS モードがあるとないとでは大違い、NOS にした途端生っぽさが俄然際立ちます。 その価値はとてつもなく大きいです。
そしてプリメインアンプの SOULNOTE A-1 です。当店の A-1 は割を食ってました。当店のメインシステムは全て ZANDEN のラインナップで構成されています、当然デジタルソースも ZANDEN Model 5000 によって D to A 変換が行われており、CD プレーヤー C-1 に内蔵された DAC 部からのアナログ出力をそのまま受けてプレーバックしていた A-1 のハンデは絶望的ですらあります。
今回始めて D-1N で D to A 変換されたアナログ信号によって動かされた A-1 、やっと本領を発揮したように思います。これ迄の音は高域がほんの少しですが伸び切れずややもすると詰まり気味に聴こえ、低域の減衰の仕方が急な様に感じていたのですが、D-1N のそれも NOS モードにすると恰もリミッターを外したかのような変化が見られました。DS-4NB70 の過度特性もそのまま表現しているし、ダイナミックレンジも以前よりも大きく取れているように聞こえましたし、これなら文句無し。C-1 にはやはり D-1N を組み合わせたい、と欲が出ます。
そして何より A-1 は増幅器としてその仕事を淡々とこなし、殊更個性を主張することはありません。つまり誇張されて聴こえるところが一切無いのです、これは大きな美点です。
今次のイベントでは昨年発売された SOULNOTE D-1N が PC Audio に於いても十全に有効であることを確認していただけたことと、SOULNOTE A-1 が DS-4NB70 とペアリングしても何等不満なく、寧ろ期待以上にマッチングが取れているところをお聴きいただけたと思っています。
と、まあざっとイベントを通しての感想をつらつらとお話 してきましたが、PC Audio のシステム導入のメリットや発展性と、DIDTONE DS-4NB70 の守備範囲の広さと云うか ZANDEN のアンプ群は言うに及ばず SOULNOTE A-1 とは良い組み合わせやねえと、日頃感じていたことの確認が出来た催しでした。
表題に掲げた* DIATONE DS-4NB70 に SOULNOTE A-1 は「アリ」か*個人的には十分「アリ」です。
当店は最近迄 SOULNOTE には Mark & Daniel Maxmus Moniter+ を組み合わせていましたが、今回のイベントで確信を得る事が出来たので試聴用スピーカーを当面 DS-4NB70 で運用します。
ZANDEN と SOULNOTE 両者を同じスピーカーで試聴していただくことになります、ご興味のある方がいらっしゃいましたら何時でもどうぞお聴きにいらして下さい。
2019/2/1