My diva vol.5

Khibla Gerzmava

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ヒブラ・ゲルズマーワ、 ディーバとは呼べない迄も、この人の歌声を聴く迄この世の中にこれほど澄んだ美しい声が有るとは思ってもみませんでした。このグルジア出身のソプラノ歌手が歌うロシア歌曲を聴くと、居ながらにして歌われている場所と時代が目の前に広がり、雄大なロマンティシズムの海に漂えるのです。

彼女のリサイタルは確か過去二度に渉って行われたので、何年の公演だったか記憶は定かじゃないんですが、東条町のコスミックホールでのリサイタルは本当に素晴らしいもので、フィナーレで感極まった一人の男性が「ヴラヴィッシモ ファンタスティック」と叫んでいたのを覚えています。その時ばかりは何所のホールにでも居る、ヴラヴォーマンに対する忌々しさが微塵も湧いて来ず、反対に大いに共感を覚えたものです。

余談ですがこの男性はその後年二度目の、川西市ミツナカホールでのリサイタルにも来ていたようです。

こんな風に数年前迄は私達にも出かけ易い地方の小さなホールでのリサイタルがあったのですが、名前が知られるにつれオペラの公演が主になり追っかけも難しくなってしまいました。

子供も生まれ歌手としてこれからますます充実して行くであろう彼女の歌を、これ迄以上もっと聴きたいと願っても社会の状況や日本に於けるクラシック離れが進む中では、余計難しくなりそうな気がします。まあしかしこういった状況の中,これまでに出た出来の良い CD もある事だし、これから新しく出るものもあるでしょうからこれでも良しとしないといけませんね。

2013/07/11