8)Tonearm

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レコードプレーヤーシステムではターンテーブルと共にトーンアームが必要不可欠です,ピボットタイプやリニアトラッキングタイプ等有りどれを選択するかは使用するカートリッジとの組み合わせも含め楽しい悩み事では有ります。

私はあまり一般的ではないと思われているエアーベアリングのリニアトラッキングトーンアーム(LTT)を好んで使用しています。その性能と音質には満足しているのですが、エアーベアリングを使用する為にコンプレッサーやエアーポンプから圧縮空気を送る必要があります。したがって使用するコンプレッサーの運転音を遮断する為にリスニングポイントから離れた場所にコンプレッサー本体を設置する等、最初のセッティングに手間を取られるのが難点と云えば難点です。けれど本体以外のデバイスのセッティングにかかる手間隙については、そのことを補っても余ある質の高いプレーバックが約束されているので、全く些末なことに思えてしまいます。

現在エアーベアリング方式のLTT単体で販売されている製品には国内に正規代理店を持ったものとしてクズマのエアラインぐらいしか思い浮かびませんが、アメリカには老舗の Eminent Technology をはじめとしてAirtangent の系譜であろう Advanced Analog Audio Lab 等現在も製造を続けているメーカーがありそれぞれメールオーダーでの購入が可能です。快感とも云っても良いトレースも然りですが、何よりもその音を一度体験していただきたいと思います。

 

Tri-Planar tonearm_1

トーンアームと云えば普通はこのタイプを指す程の大勢を占めるピボットタイプには、大きくはダイナミックバランスとスタティックバランスのものがあり、それにワンポイントサポート・ジンバルサポート・糸吊り等多岐に渡るバリエーションがあります。

Tri -Planer をはじめとする多岐に渡るアジャスト機能を備えたトーンアームを、私はその代表格だと認識しているのですが、現在では Thales のようにLTTをなぞる動きをするものも発明販売され、選択の自由度はLTTに比べ桁違いです。現在日本国内で流通している新品やビンテージと云われるものだけではなく、インターネットなどで海外に目を向けて探せば他にも良い製品が見つかる筈です。

ただしビンテージと云われるジャンルに属したものの購入については、製品の機能に関わる知識だけでは無く後述するような幅広い考察も必要になります。それはトーンアームと云うものの性質上とても重要な事柄で、それがどのような使用環境でどれほどの使用頻度の中にあった物なのかを推し量り、それによる経年劣化を疑ってみる必要があります。内部配線やピボットなりベアリングなりがこれ迄使用されてきた環境によって予想を超えた変質をきたしている可能性があり、リペアのスキルを持たないものにとって外見からは判断出来ない難しさを秘めています。出来れば信用あるショップを利用するのが良い方法と考えますが、リスクを承知した上であればインターネットの個人売買も有りかもしれません。気に入ったものがあれば新品にこしたことはないのですが。

トーンアームは先ずターンテーブルやカートリッジにマッチした製品を選び、その扱いに習熟するのが最良の選択であり使用方法でもあります。どのタイプのトーンアームにしても基本は同じで、セットアップはさほど困難な作業ではありません、ただ特殊な技術は必要としませんが根気や集中力が求められます。先ずテンプレート通りの正確な取り付けとトーアームベースの水平度・レコード面との平行度を出すのが基本であり、それに各機種の調整要点を注意深く基準値に持って行き、J字やS字タイプであればラテラルバランスを取り、後はVTAやアジマスを調整して行けば完了です、その手順も慣れてしまえばそれはそれで結構面白い作業ですし、アナログレコードを聴く上での作法のような物です。