15)Cable

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オーディオシステムを構成する種々のオーディオコンポーネントは、オーディオ用ケーブル(以下ケーブル)によって接続され信号の受け渡しを行っています。市場にある膨大な種類のケーブルはその『構造や素材の種類により個別の特性があり製品ごとに音が変る』と云う前提で販売されています。オーディオは音の変化とその変わり具合いにこそ醍醐味があるとする人達にとっては、製品を置き換えるだけの手軽さ故に、彼等が夢中になるオト作り遊びの恰好の材料となっています。私としては『高域が良く伸びるケーブルや低域が太くなるケーブル』なんて云ういろんな『個性』のあるものは願い下げですが。

ある時期理想のアンプを指す言葉に『Wire with gain』という言葉が使われていました、直訳すれば『増幅率を持った電線』と云った所でしょうか。即ちアンプに対してもこういった比喩がなされる程素のままの信号を大切に扱って来たオーディオに於いて、ケーブルに因って信号を変質させるなどとは間違いなく本質からそれてしまうことの様に思います。

それはさておき此処では HiFi を前提にお話を続けます。

オーディオを続けていると「このケーブルに交換して音が良くなった」「これは音の良いケーブルだ」、と云うのを聞かれたり経験されたりしたことがあると思います。それは何故なのでしょうか、ケーブルを交換しただけでオーディオシステムの音が変わる原因は何所にあるのでしょうか。

考えてみると電気信号が通る時の導体の抵抗による信号電圧の減衰を無視出来るものとして、導体を絶縁する被覆の素材や外来の阻害要因の影響が全く無ければ元のソースと相似形の信号が伝送されて音質の変化はないはずです。そう考えると音が変るとか良くなると云われるのはケーブルにより信号が変化させられているということになりますが、信号の伝達だけが役目で増幅回路を持たないケーブルそれ自体に積極的に音を良くする理由は見当たりません。ましてやオーディオコンポーネントを制作する側にたって考えれば、本来信号や電力の受け渡しだけを担うデバイスであるケーブルに因って、音そのものが変化させられてしまうような事態は避けなければなりません。

音は変化すると仮定した上で考えを巡らせてみると、使用する環境に合わせた対策を施されていないケーブルを通る信号は、多少なりとも何らかの外乱を受けているのでは無いかと。例えばケーブルを取り替えた時、新たに取り付けられたケーブルがそれまで使用されていたものより混入するノイズが少なく元の信号がノイズに影響されず正確に伝送された(受け渡された信号が元の信号との差が小さい)のであれば、後者の方が音の良いケーブルと云うことになるのでしょう。原則を云えば元の信号即ち音をそのまま伝えるものが最も良いケーブル、要するに機器と機器とが直に繋がった状態を作り出せるものが理想のケーブルです。

通信機器や家電製品の電脳化により電磁波等が身の回りに溢れる現代、オーディオ用ケーブルの性能を阻害する要因は様々ありますが、ザンデンオーディオシステムでは機器やケーブルに混入する外来雑音が主たる原因だと考えています。オーディオコンポーネントの性能を十全に発揮させる為にも、使用するケーブルやテーブルタップをオーディオシステムとして内部配線と共に重要な要素の一つと捉え、外来雑音の遮蔽と混入してしまったノイズ除去を目的に、独自の素材と技術による組み立て方法を用い外乱に強く正確な信号の伝送を行うケーブルを内製しています。

ユーザーはその点に留意してケーブルを選ぶことでオーディオシステムが持っている本来の音が聴こえるようになる筈です。量産が難しいので現在当店ではこのケーブルやテーブルタップの販売をザンデンオーディオシステムのユーザーに限らせていただいています。勿論他社のオーディオシステムに使用した場合にもその性能はいかんなく発揮され、そのオーディオシステムが備えている本来の力を最大限引き出します。リファレンスたるケーブルとして最も信頼出来る最右翼であると自負しています。