Maria Callas

マリア・カラス　無く子も黙るオペラの金字塔、知らぬ物など何所にも居ないギリシャが生んだ神の子、唯一無二の存在。と大層な言葉を並べ立ててしまいましたがそれほど偉大な歌い手否役者なのかも知れません。その声にしても容貌にしても他の歌手とは余りに隔絶超越したものがあり、その強烈な個性故受け入れられない人も居るようですが。私はその全てを認め彼女の作品の前に平伏してしまいます。全ての共演者を従えあの鋼の様な強い声で瀕死のビオレッタを演じ、見る者を釘付けにし絶望の淵の奥底迄引きずり込む技は将にディーバ以外の何者でもありません。マリア・カラスはマリア・カラスでありマリア・カラスだけなのです、誰もマリア・カラスになる事など来ません。

まあ誰も望んではいないでしょうけれどね。

彼女は男運が悪くその生涯は波乱に満ちたものでしたが、あの才能と引き換えられたものと思うと仕方ないのかなと。普通の人間なら悪魔に魂を売ってでも手に入れたいものが、無尽蔵に湧き出てくる才能として彼女に引き渡されたのですから。

それにしても良いですねえオーディオは、何時でもマリア・カラスを独り占めです。スカラだろうとオランピアだろうと自分一人の為の専属の貸し切り公演ですから。

2013/07/06